
愛知県で建設業許可をサポートする行政書士の中村さつきです。
近年、建設業界の担い手不足や高齢化が深刻化する中、その解決策として推進されているのが、建設キャリアアップシステム(CCUS)です。
CCUSは、単なる新しい制度というだけでなく、技能者の処遇改善と事業者の施工能力の「見える化」を進め、建設業界の未来を支える重要なインフラとなることが期待されています。
この記事では、CCUSとは何かを分かりやすく解説し、事業者様と技能者様それぞれにとってのメリット、そして導入の基本的な手順を詳しくご紹介します。
1. CCUSって、そもそも何?
CCUSとは、Construction Career Up System(建設キャリアアップシステム)の略称です。
これは、建設技能者一人ひとりの就業実績、保有する資格、そして社会保険加入状況などを、業界横断的に統一されたルールで登録・蓄積する仕組みです。
これまで、建設技能者は現場が変わるたびに、それぞれの元請け会社で一から経歴を証明する必要がありました。しかし、CCUSが普及すれば、ICカードを読み取るだけで、全国どこの現場でも自分のスキルと経験を証明できるようになります。
国土交通省が主導し、建設業界全体で導入が進められており、建設業を持続可能で魅力的な産業にするための「制度の基盤」として機能することが期待されています。
2. なぜCCUSが必要なの?建設業界の抱える課題
CCUSが導入された背景には、建設業界が長年抱えてきた以下の大きな課題があります。
🔹 課題1:若手技能者の確保と定着の難しさ
賃金水準や仕事のハードさ、将来的なキャリアパスの不透明さ等から、若手の入職が伸び悩んでいます。
🔹 課題2:技能者の能力や経験の「見える化」が難しい
現場でどれだけ経験を積んでも、それを客観的に証明する仕組みがなく、熟練の技能者であっても能力に応じた適正な評価や処遇を受けにくいという問題がありました。
CCUSは、この「経験の蓄積と公正な評価」を可能にすることで、上記課題の解決を目指しています。
3. 事業者様と技能者様にとっての4つのメリット
CCUSは、事業者(建設業者)と技能者(現場で働く人)の双方に大きなメリットをもたらします。
| 対象者 | メリット | 詳細 |
| 事業者 | 現場管理の効率化 | ICカードによる入退場管理で、現場の勤怠管理や就業履歴の登録が簡単になり、事務作業が軽減されます。また、技能者の資格や社会保険加入状況の確認も容易になります。 |
| 施工能力のPR | 技能者のレベルや資格取得状況が客観的に示されるため、自社の施工能力を発注者や元請けに対してアピールしやすくなります。 | |
| 技能者 | 能力に応じた処遇 | 自分の就業履歴や保有資格が正確に蓄積され、スキルや経験が「見える化」されます。これにより、働く現場に関わらず、公正な評価と賃金の向上につながる環境が整備されます。 |
| キャリアパスの明確化 | 蓄積されたデータに基づき、自分のレベルや次に目指すべき目標が明確になります。「技能が上がれば、処遇も上がる」というキャリアの見通しが立ちやすくなります。 |
4. CCUS導入の基本的な流れと費用
CCUSを導入するためには、事業者と技能者のそれぞれで登録が必要です。
(1) 事業者登録
まず、建設業者が事業者情報(現場情報を含む)をCCUSに登録します。
- 申請方法: インターネット、または認定登録機関窓口。
- 初期費用: 登録手数料(法人規模などにより異なる)。
- 利用料: 管理者ID利用料(年間)と、現場ごとに発生する現場利用料(技能者1人日あたり10円)。
(2) 技能者登録
現場で働く技能者一人ひとりが、氏名、資格、社会保険加入状況などを登録します。登録完了後、個別のICカードが交付されます。
- 申請方法: インターネット、または認定登録機関窓口。
- 初期費用: 登録料とICカード発行手数料。
(3) 現場での利用
元請事業者が現場情報・施工体制を登録し、現場にカードリーダーなどのデバイスを設置します。技能者は、現場に入場・退場する際にICカードを読み取ることで、就業履歴がCCUSに自動的に蓄積されます。
5. 行政書士としてのアドバイス:今後の義務化と建設業許可への影響
現在、CCUSの利用は「推奨」の段階から、国土交通省の直轄工事等では「原則義務化」へと移行が進んでいます。今後は民間の工事においても、CCUSへの対応が標準的な要件となっていくことが予想されます。
特に、経営事項審査(経審)においては、CCUSの活用状況が評価項目の一つとして加味される傾向にあります。建設業許可を維持・活用し、競争力を高めていくためには、CCUSへの早めの対応が不可欠です。
まとめ
CCUSは、建設業界全体の持続可能性を高め、「人」と「能力」を正しく評価するための、未来志向のシステムです。
もし、CCUSの登録手続きや、それに伴う建設業許可に関するご相談がございましたら、愛知県の建設業許可専門行政書士である行政書士中村さつき事務所まで、お気軽にお問い合わせください。
CCUS導入から建設業許可の申請・更新まで、トータルでサポートいたします。
CCUSについて、さらに視覚的に理解を深めたい方は、こちらの動画も参考にしてください
CCUSについて、さらに視覚的に理解を深めたい方は、こちらの動画も参考にしてください。 【5分で分かる!】建設キャリアアップシステムCCUSとは? この動画では、CCUSの仕組みやメリットについて、イラストを交えてわかりやすく解説されています。
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