建設業許可を取得するメリットとは?

建設業許可の取得は、単なる法令遵守以上の価値を持ちます。貴社の企業としての信頼性を高め、事業拡大の扉を開き、安定した経営基盤を築くための重要な「パスポート」となります。

1. 企業の信頼性が向上し、受注機会が大幅に拡大する

建設業許可は、企業が建設業法に定める厳しい要件(経営能力、財産的基礎、技術力など)を満たしていることの公的な証明です。この許可があることで、発注者や取引先からの社会的信用度が飛躍的に向上します。

  • 元請業者からの信頼獲得: 多くの元請企業は、品質やコンプライアンスを重視するため、下請業者を選定する際に建設業許可の取得を必須条件としています。許可を持つことで、これまで参入できなかった大規模な工事や、より安定した優良な元請からの受注機会が増え、事業の足がかりとなります。
  • 法人化によるさらなる信頼性向上: 元請企業の中には、建設業許可に加え、株式会社であることを取引の条件とするケースが増えています。個人事業主から法人化することで、社会的信用度がさらに高まり、受注機会の拡大に繋がります。

2. 公共工事市場への参入資格が得られる

建設業許可の最大のメリットの一つは、国や地方公共団体が発注する公共工事の入札に参加できるようになることです。

  • 経営事項審査(経審)の前提条件: 公共工事の入札に参加するためには、企業の経営状況や技術力などを客観的に評価する「経営事項審査(経審)」を受ける必要があります。この経審は、建設業許可を取得していることが大前提となります。
  • 「P点」による受注機会の拡大: 経審の結果は「P点」と呼ばれる評点として算出され、このP点が高いほど、より多くの公共工事の入札に参加できる機会が増えます。例えば、800点を境に、入札参加できる案件が大幅に増加することが知られています。安定した公共工事の受注は、経営の安定に大きく寄与します。
  • 評点アップ対策で競争力強化: P点を高めるためには、以下のような具体的な対策が有効です。当事務所では、これらの対策を通じて貴社の評点アップをサポートしています。
    • 防災協定の締結: 地域貢献活動として自治体と防災協定を結ぶことで加点されます。
    • 就業規則の作成: 退職一時金制度を盛り込んだ就業規則を整備することで、評点が約22点アップする可能性があります。
    • 基幹技能講習の受講: 現場での指導的立場にある基幹技能者がいる場合、評点が加算されます。「10年の実務経験者」が約1点の加点であるのに対し、「基幹技能講習受講者」は約3点の加点と、より高く評価されます。
    • 営業年数のカウント: 一定の条件を満たせば、個人事業主時代の営業年数も法人設立後の年数に合算してカウントできるようになり、これが評点に大きく影響します。
    • 建設業退職金共済(建退共)への加入: 大阪府の経審では、建退共への「加入」で約22点加算されます。少額の証紙購入で「加入・履行証明書」を取得するだけでも加点対象となるため、見落としがちな重要ポイントです。

3. コンプライアンス体制の確立と優良人材の確保

2020年10月1日の建設業法改正により、社会保険(健康保険・厚生年金保険)と労働保険(雇用保険)への加入が建設業許可の必須要件となりました。

  • 法改正による義務化: 以前は加入していなくても許可が取得できる場合がありましたが、現在は適切な保険に加入していないと許可申請が受け付けられません。
  • 企業の健全性アピール: 許可を取得し、これらの要件を満たすことは、企業が法的なコンプライアンスを徹底していることの証です。これにより、企業の健全性が対外的に示され、取引先からの信頼だけでなく、求職者へのアピールにも繋がります。
  • 優良な人材の確保: 適切な社会保険・労働保険に加入していることは、従業員にとって安心できる労働環境の提供に直結します。福利厚生の充実した企業は、優秀な人材の確保や定着に有利となり、企業の持続的な成長を支える基盤となります。

4. 事業の安定と持続的な成長に繋がる経営の最適化

建設業許可の取得は、事業の安定性や将来的な成長戦略にも大きな影響を与えます。

  • 経営の透明性向上と資金調達: 許可を持つことで、経営の透明性が高まり、金融機関からの融資や資金調達がしやすくなるなど、事業の安定性が向上します。
  • 決算変更届の戦略的活用: 建設業許可は5年ごとに更新が必要であり、毎年「決算変更届」の提出が義務付けられています。この「決算変更届」の作成方法を工夫することで、将来的な**「実務経験10年」の積み上げ**が可能となり、新たな建設業許可業種を追加取得できる可能性が広がります。プロの行政書士が関与することで、この「その他の建設工事の施工金額」欄の記入を戦略的に行い、10年後の貴社の選択肢を増やすことができます。
  • 許可の一本化による事務負担軽減: 複数の業種で許可を持つ場合、許可日が異なると更新手続きが煩雑になりがちです。更新申請や業種追加申請の際に「許可の有効期間の調整(許可の一本化)」を行うことで、すべての許可日を同日にまとめることができ、更新手続きの事務負担を大幅に軽減できます。
  • 法人化による節税メリット: 個人事業主から法人化することで、税金面でも大きなメリットを享受できます。
    • 税率の違い: 個人事業と法人では税率が異なり、法人化により全体的な税負担を軽減できる場合があります。
    • 経費計上の拡大: 役員報酬を会社の経費として計上できるほか、生命保険料なども一定の範囲で経費に算入可能です。これにより、節税しながら事業資金を効率的に運用できるようになります。

まとめ

建設業許可は、貴社の事業を「軽微な工事」の枠を超え、より大きなステージへと発展させるための、非常に強力なツールです。信頼性の向上、公共工事への参入、コンプライアンスの強化、そして事業の安定と拡大といった多くのメリットは、貴社の将来を大きく左右します。

愛知県で、建設業許可の取得をご検討中の皆様、複雑な要件確認や必要書類の準備、専門的な申請手続きは、建設業専門の行政書士である当事務所にお任せください。貴社の状況に合わせた最適なサポートを提供し、スムーズな許可取得、そしてその後の事業発展を全力で支援いたします。お気軽にご相談ください。

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中村さつき
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